大学に合格しました

坂本愛美<大学生>

坂本愛美日本生まれのベトナム難民2世。
両親が南ベトナム政府崩壊後、ボートピープルとして南シナ海に脱出、来日した。現在、神奈川県相模原市に両親兄姉と共に住む。
中学3年次は、5人のボランティアが各教科の勉強を応援し、愛美さんも必死で喰らいついてきた。
新磯高校合格は、愛美さんの努力とボランティアの支援の一体化した見事な事例だと率直に思う。
高校では常に上位の成績を維持し、01年秋、公募推薦で桜美林大学に合格した。

初めまして。私の名前は坂本愛美です。現在(2002年)、神奈川県立新磯高校3年生です。卒業後は桜美林大学に進学します。以上、簡単な自己紹介です。多くの方は、この自己紹介を読んで、どこにでもいる普通の高校生だと思うかもしれません。しかし、私にとって、ここまでくるのはとてもつらく長い道のりでした。

私は今は日本国籍を取得しましたが、元々はベトナム人です。中学校2年までは成績が1と2がほとんどという最悪の状態でした。親は日本語が不自由なため何も手助けができず、私のことを心配していました。私自身は友達に追いついていけないことがとてもくやしくつらかったです。そこで私はCICRに相談しました。こうして国、社、数、理、英のボランティアの先生方が、毎日のように、忙しい時間の合間をみて、私に勉強を教えて下さることになりました。

中でもボランティアの上坂さんの家は通っていた中学校の近くなので、中3の時には学校が終わればすぐにお伺いしました。教えていただいたのは国語ですが、日本の熟語、言葉の由来、日本文化、目上に対する態度などたくさんのことを教えられました。以前の私は勉強をすることに不安を感じていました。そんな私に知識や経験が豊富な上坂さんは一つ一つの物事の意味を教えて下さいました。

勉強がわかってくると、今度は勉強をすることが好きになってきました。友達にも追いついていけるようになりました。おかげさまで成績はぐんぐんと上がり、新磯高校に入学することができました。

高校進学後も勉強にしっかり取り組むことができました。そして、高校卒業にあたっても、ボランティアの先生方のおかげで桜美林大学の入学が許可されました。私は本当に幸福だと思います。今、私は上坂さんを「お母さん」と呼ばせていただいています。先生と呼ぶのが普通でしょうが、本当に母のような存在で、私を娘のように可愛がって下さいます。このような上坂さんをはじめ多くの方々に支えられ、土台をつくっていただいたから、ここまでくることができました。これからは大学に進学し頑張って勉強し、最低限の常識、知識を身につけ、今まで助けていただいた方々の期待に応えられるようにしたいと思います。

最後に、私を助けて下さった上坂さんはじめCICRボランティアの皆様に心から感謝しています。「本当にありがとうございました」。

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